全国環境保全型農業推進会議
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環境保全型農業推進憲章の制定
 全国環境保全型農業推進会議では、平成6年に本会議が設置されて以来、環境保全型農業の社会的なコンセンサスの形成に向けた全国運動を進めるために、「環境保全型農業推進憲章」の制定に向けた検討を行ってまいりました。 憲章の制定に当たっては、生産、流通、消費関係の多くの方々から幅広いご意見をいただき、これらのご意見も十分に参考にさせていただいた上で、この度、別添のとおり取りまとめました。 この憲章は、環境保全型農業を国民一人一人が共通の認識をもって進めていくための基本的な考え方(基本理念)や、行動に当たっての心がまえ(行動指針)を示したものであります。

 今後、この憲章が各方面に広く浸透するとともに、それぞれの地域で環境保全型農業を定着させていくための行動計画の策定などが進むことによって、環境保全型農業への取組みが具体的かつ全国的に展開されることを期待します。

平成9年2月28日
全国環境保全型農業推進会議
会長  熊澤 喜久雄
環境保全型農業推進憲章〜人と自然に優しい農業を目指して〜
はじめに

 私たちが生きている地球の環境は、過去から現在に至るまで、人々の健康で文化的な生活をえてきた。

 この地球の環境が様々な経済活動によって損なわれるおそれが生じてきている現在、環境健全で恵み豊かなものとして維持していくことは、人間社会の持続的な発展にとって欠くことのできないものとなっている。水田を中心とする我が国の農業は、適切な生産活動を通じて豊かな食生活の基礎を築くとともに、洪水や土壌浸食の防止などの国土保全、水資源のかん養など公益的かつ多面的な機能を通じて、緑豊かな国土や環境の維持形成とその保全にも貢献してきた。

 しかしながら、近年、一部における化学肥料の過剰な施用、農薬の不適切な使用、家畜ふん尿の不適切な処理が環境へ悪影響を及ぼす場面も生じてきており、農業の分野においても環境への負荷を極力小さくしていくことが早急に求められている。

 
基本理念

 農業は本来、環境と調和して営まれる産業である。また、健康的で豊かな食生活の実現、国土保全・美しい景観の形成など豊かな環境の維持形成は、国民全体の願いである。

 我が国の農業は、農業の持つ本来の機能を改めて見直し、これらの願いを実現する上での基盤となる役割を果たさなければならない。

 この役割を果たすため、環境に対する負荷を極力小さくし、さらには、環境に対する農業の公益的機能を高めるなど、環境と調和した持続的農業すなわち「環境保全型農業」の全国的・全面的な展開を目指す。 その展開に当たっては、農業者の努力はもとより、消費者や農産物の流通関係者等を含めた幅広い国民的な理解と支持を得るようにするとともに、環境保全型農業に関連する資源のリサイクルの促進などの実現にも努めるべきである。

 今こそ、「人と自然にやさしい農業」を目指し、健全で恵み豊かな環境を私たちの子孫に引き継いでいくため、農業者のみならず、消費者や流通関係者など国民一人一人が行動を起こす時である。

 
行動指針
  1. 農業者及び農業者団体
    (1)農業者
    1. 農業が環境に負荷を与えていることも理解し、化学肥料や農薬などによる環境への負荷を軽減した農業生産活動に取り組もう。
    2. 土づくりや家畜ふん尿などの有機質資源のリサイクル、土壌診断に基づく施肥や病害虫の発生状況を踏まえた防除など環境保全に資する技術を積極的に導入しよう。
    3. 農業者から消費者へ向かって積極的に情報を発信し、交流することにより、農業者の取組みに対し理解を求めよう。 4. 地域ぐるみで農村の豊かな自然環境や地域資源を保全していこう。
    4. 消費者、食品産業などのニーズを的確に把握するよう努めよう。
    (2)農業者団体
    1. 環境保全型農業の推進に組織をあげて取り組むとともに、農業者に対する啓発・普及、広報活動を進めよう。
    2. 農業者の取組みを支援するため、環境負荷軽減のための生産資材・技術の普及、土壌診断体制の確立、土づくりのための施設整備などを進め、適切な営農指導を行おう。
    3. 環境保全型農業推進のための体制づくりを進め、消費者、流通関係者等あらゆる分野の人たちとの連携を深めよう。
  2. 消費者
    1. 農業・農村が国民の食生活の基礎であり、国土保全等の多面的な機能を有することに対する理解を深めよう。
    2. 身近な農産物を活用した季節感のある食生活を心がけよう。
    3. 栽培方法などに特色のある農産物については、その表示を確認しよう。
    4. 農産物の外観のみにとらわれない選択に心がけよう。
    5. 緑豊かな農村で環境保全型の農業を体験し、理解を深めよう。
    6. 生ゴミの堆肥化など有機質資源のリサイクルを進めよう。
  3. 食品産業関係者
    (1)流通関係者
    1. 農産物の販売だけでなく、消費者に対する生産実態の情報提供にも心がけよう。
    2. 包装資材の使用量の節減やリサイクルを促進するとともに、流通段階において野菜の残さなどのロスの発生を極力少なくするよう工夫しよう。
    3. 農産物の外観のみにとらわれない流通を進めよう。
    4. 栽培方法などに特色のある農産物については、栽培方法が消費者にわかりやすく伝わるよう、適切な表示を心がけよう。
    (2)食品工業・外食産業
    1. 環境を大切にする食材づくりを農業者、流通関係者等と共に考え、進めていこう。
    2. 農業者との連携により、食品残さのリサイクルを進めよう。
    3. 食品工業・外食産業からのニーズを農業者に発信するとともに、栽培方法などに特色のある農産物については、それを生かした加工・販売の工夫を進めよう。
       
    行政・普及・試験研究機関においても、これらの行動指針を実効あるものとするため、以下の事項について積極的な支援が講じられるよう期待する。
    1. 環境保全型農業の必要性を広く国民一般の共通認識とするための啓発・普及
    2. 農業者、消費者、流通関係者等あらゆる人たち相互間の情報交換と連携の促進
    3. 環境保全型農業を進めるために必要な技術の開発・普及・指導
    4. 環境保全型農業推進のための体制・条件整備
    5. 次代の環境保全型農業を担っていく若者の育成
    6. 農業・農村への理解の増進と子供たちに対する農業の体験学習などの推進

農林水産省 農業環境対策課のホームページ(http://www.maff.go.jp/eco.htm)より

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